歯周病は、単に口腔内の問題に留まらず、全身の健康にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。
この記事では、歯周病がどのように全身の健康状態に影響を与えるのか、その原因となるもの、そして適切な対処法について詳しく解説します。
歯周病とは
歯周病は、歯肉と歯を支える組織に影響を及ぼす病気で、進行すると重大な口腔内および全身の健康問題を引き起こす可能性があります。
この病気は二つの段階に分類されます。
歯肉炎
歯肉炎は歯周病の初期段階であり、歯肉の腫れや出血が主な症状です。
これは主にプラークの蓄積が原因で起こり、適切なオーラルケアにより症状の改善が見込めます。
日々の正しい歯磨きと定期的な歯科医院でのクリーニングが、歯肉炎の予防および治療に非常に重要です。
歯周炎
歯肉炎が進行すると歯周炎に発展し、これはより深刻な状態です。
炎症が歯を支える骨にまで及び、放置すると歯が抜け落ちてしまう可能性があります。
歯周炎では、歯肉の後退、歯の揺れ、噛み合わせの変化など、より重篤な症状が現れることがあります。
歯周病の原因
日々のオーラルケア
日々の歯磨きや定期的な歯科検診を怠ると、プラークや歯石が蓄積し、炎症の原因となります。
喫煙
喫煙は歯周病のリスクを大幅に高めると広く知られており、治療の効果を低下させることもあります。
糖尿病
血糖コントロールが不良の場合、歯周病の進行が早まることがあります。
糖尿病患者は特に歯周病に注意が必要です。
歯周病が全身に及ぼす影響
糖尿病
歯周病は、糖尿病の管理を複雑にし、血糖値のコントロールを困難にします。
逆に、糖尿病を患っている方は歯周病にかかりやすく、この相互作用は治療と管理の上で特別な注意を要します。
歯周病の治療が糖尿病の症状の改善に役立つこともあります。
動脈硬化
歯周病が心臓病やその他の循環器疾患のリスクを高める一因として、動脈硬化の促進があります。
歯周病は全身の炎症を引き起こし、これが血管の健康に悪影響を及ぼすと考えられています。
誤嚥性肺炎
高齢者における誤嚥性肺炎のリスクが、歯周病により高まる可能性があります。
これは、口腔内の細菌が誤って肺に入り込むことで起こり、特に口腔衛生が不十分な場合に発生しやすいとされています。
骨粗しょう症
歯周病と骨粗しょう症との間には相関関係があり、歯を支える骨の健康が全身の骨密度に影響を及ぼす可能性が示唆されています。
これは、歯周病による慢性的な炎症が骨の再吸収を促進するためです。
認知症
進行する歯周病が認知症のリスクを高めることが研究で明らかにされています。
歯周病菌が脳内に影響を及ぼし、認知機能の低下を引き起こす可能性があります。
早産・低体重児
妊娠中の女性が歯周病に罹患すると、早産や低体重児を出産するリスクが高まります。
歯周病による体内の炎症反応が、妊娠の健康を脅かすと考えられています。
バージャー病
周病はバージャー病(血管の炎症が原因で血流が妨げられる疾患)のリスクを高めると示されています。
歯周病による炎症が血管に影響を及ぼし、血流障害を引き起こすことが原因です。
歯周病を防ぐ対処法
正しい歯磨きの習慣を身につける
毎日の歯磨きは、歯周病の予防と治療の第一歩です。
歯科医師が推奨する方法で、1日に2回、各2分間の歯磨きを行うことが重要です。
デンタルフロスや歯間ブラシの利用
歯ブラシだけでは届かない部分のプラークを除去するために、デンタルフロスや歯間ブラシの使用が効果的です。
日々のケアにこれらを取り入れることで、歯周病の進行を食い止めることができます。
定期的な歯科医院でのチェックとクリーニング
年に少なくとも2回は、歯科医院での検診とクリーニングを受けることが推奨されます。
自宅でのケアでは取り除けないプラークや歯石を除去し、歯周病のリスクを低減できます。
生活習慣の見直し
喫煙や不健康な食生活は、歯周病のリスクを高めます。
これらの習慣を見直し、必要に応じて改善することで、歯周病だけでなく、その他の健康問題のリスクも低減できます。
まとめ
しかし、正しい歯磨きの習慣を身につけ、デンタルフロスや歯間ブラシを利用し、定期的に歯科医師のチェックを受けることで、これらのリスクを大幅に軽減できます。
また、生活習慣の見直しも同様に重要です。
健康な口腔環境は全身の健康に寄与しますので、日々のケアを怠らず、早めの対策を心がけましょう。
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